拾われた男(2022)|第5話をレビュー

比嘉結ちゃん(伊藤沙莉)という素敵な彼女を得てからの松戸くん(仲野太賀)の役者への道。

今回は夢を追う彼氏を支える彼女としてゆいちゃんに感情移入してしまったので、結ちゃんの気持ちを予想しながら第5話を振り返ってみようと思います。

ありのままの松戸くんが好きな結ちゃん

 テレビドラマにレギュラーで出たり、一見華やかに見える所に到達?と思いきや、なかなか次の仕事が決まらない松戸くん。そんな中、大一番のオーディションを受けることになりました。このオーディションは絶対に受かりたい。台本を貰って、結ちゃんを相手役にして練習します。

 台本のシーンは、夢を追いかける男性とそれを応援する彼女の会話。松戸くんと結ちゃんの境遇に似た場面です。

男(松戸くんが中の人)

「俺、今回で最後にしようと思ってる。止めて欲しいとかそんなことは思ってない。これ以上、お前を待たせられないし、待たせるのも死ぬほど辛い!」

相手役の女(ここは結ちゃんが代役)

「そんなこと言わないで。あなたは絶対に大丈夫。あなたなら絶対に夢は叶う。夢は見るものじゃないの、叶えるためいあるんだよ。あなた一人の夢じゃない。あなただけの人生じゃない。一人で生きてるなんて思わないで。絶対に夢は叶えて。」

結ちゃんと松戸くんは、このセリフについて感想を言い合います。

結ちゃん「結構キツくない?このひと?」

松戸くん「そう?あなただけの人生じゃないって言われるとグッとくるけどね。」

結ちゃん「わたしは絶対言えないな〜。”夢はみるものじゃなくて叶えるものとか”」

松戸くん「いうて、いうてー。どんどんいうて。」

結ちゃん「そうなのー?」

 初見でこの会話を見た時、結ちゃんが自分達の境遇にも似た場面だからか、結構気を使ってるなあ、と感じました。確かに、コメントしづらいですよね。

 その後、結ちゃんに気合を入れてもらいつつ松戸くんがオーディションに出かけて行きました。その間、結ちゃんの姿は神社にありました。必死な様子で手を合わせながら言っていた言葉が今回の一番の私が大好きだったセリフ。

「どうか、まっつんが傷つくことがありませんように。」

しかも2回言ってた。

「オーディション受かりますように」じゃなかったのが衝撃で。この言葉でようやく気づきました。結ちゃん、松戸くんに役者で成功してもらいたいんじゃなくて、松戸くんに幸せでいてもらいたいだけなんだ!結ちゃんの深い愛情を知り感動。

 思えばこのオーディションの話が出る前、結ちゃんと松戸くんの実家に行った時。松戸くんはみんなからプレッシャーをかけられていました。お父さんからは役者をバカにしたような発言があり、幼馴染の友人からは「結ちゃんを幸せにするために役者一本で食うて行けるようにならなな!」とハッパをかけられていた。その度に、結ちゃんはまっつんの顔を心配そうに見ていました。プレッシャーを感じてるんじゃないかな、大丈夫かな、などと思ってたのかもしれない。結ちゃんが、松戸くんのお友達に松戸くんの好きな所を聞かれた時だって、「ビデオ屋の仕事とかすごいできるし」「レコード屋についてきてくれる」「重い荷物も持ってくれる」とか「私の話もちゃんときいてくれる」とか「自分の誕生日なのに居酒屋奢ってくれる」など、好きな所というにはライトな内容で、「それ全部普通やがな」と言われるほど。でも、役者をやっている松戸くんじゃなくて、松戸くんそのままが好きってことだったんだな。

で、肝心の松戸くん大一番のオーディションですが…、散々でした。自分の名前を何度も何度も言い間違え、終いには結ちゃんから呼ばれている「まっつん」と言ってしまう。先日のセリフせっかく暗記したのに口から出てこない。セリフを言いながらも、結ちゃんを幸せにしなくちゃというプレッシャーが脳裏にちらついて、上手く喋れない。オーディションから戻らない松戸くんを探して、結ちゃん走り回ります。ようやく神社で見つけたまっつん、だいぶ弱ってました。「(役者として)なんともならんちゃうかな、俺」「俳優もできへんけど、他もなにもできへんし」「結にも捨てられるやろ」「一人で野垂れ死ぬんちゃうか」といったマイナスな言葉が並びます。

 結ちゃん「まっつんを、こんな目に合わせた人しばきたい。でもまっつん、これからも辛いと思う。こんな辛そうなまっつん見たくないから…」

”もうやめちゃお” って言いそうだった結ちゃん。急にテンション変わって、

「やっぱり、ひとりで生きてるなんておもわんといて。やっぱり夢はみるためにあるんやない。絶対に夢叶えて、俳優一本でいきていくんやろ。そのまんまのまっつんでいいなんて言わんで!」まっつんをビンタしまくる結ちゃん。結ちゃんがこわい、って言ってた人と同じこといっちゃうことになってる!

 結ちゃんにとって、まっつんが役者を続けるか続けないかはどうでも良いこと。でも結ちゃんの中で、役者を続けることが松戸くんにとって大事なことだって判断できたから急に変わったのかな。このまま放っておくと闇堕ちして戻ってこれなくなっちゃうって思ったのかな?結ちゃんに聞かないとわからないけれど。

 また新しいオーディションに行く前に鏡前で名前を言う練習の時の結ちゃん「名前を教えて下さい」の言い方が穏やかーで、すごくすごくかわいかったです。

 上記のかわいいお名前練習のあと、結ちゃんに送り出されたオーディションでは、見事三番手の配役に決まった松戸くん。これ以降、役者業軌道に乗って、自宅に飾られる台本の数はどんどん増えて行きます。次回はプロポーズまで行けますように…。

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