舞いあがれ(2022) |第6週 スワン号の奇跡 後半編(第28-30回)

スワン号に乗れた舞ちゃんが奇跡

 なかなか暗い展開の後半戦に移ります。

 人力飛行機の記録挑戦が終わり、なにわバードマンは次の人力飛行機の計画を開始。パイロットに決定したのは、2年生の由良先輩。舞ちゃんも立候補していましたが、残念ながら選ばれませんでした…。舞ちゃんは、幼い頃から飛行機に憧れを持っていて、飛行機を作りたいと大学は航空科に入学しました。しかし、人力飛行機のパイロットを経験して、飛行機を作りたいという気持ちよりも、空を飛びたいという気持ちが強いことに気付いたのです。

 そこで、旅客機のパイロットになることを決意します。由良先輩もパイロットになるために航空学校の受験を考えたことがあったようですが、身長制限で受験すら出来なかったそうで。舞ちゃんは、身長制限はクリア。しかし、なかなか両親にはそのことを言えないまま、受験勉強を始めます。

 自分が好きなことって、自分ではよくわからなかったりしますよね。今までやりたいと思ってたことをやってみたら違ったり、やってみたら思ったより面白かったとか。わたしにも経験あります。人って本当の自分に出会うには、色々経験しないと分からない。納得感ある流れでした。

 ここで、幼馴染3人組それぞれの話に移るわけですが…。くるみちゃんと、貴司くん。この2人が辛い環境に身を置いているという話。まずはくるみちゃん。くるみちゃんは、仕事が続かないお父さんと2人暮らし。お母さんは幼い頃に出て行ったらしく、年に一度誕生日にバースデーカードが来るだけ。電話番号が書いてあるけど、電話したことがない。看護士を目指して看護学校に通ってバイトもして大忙し。勉強も頑張っていて、学費免除の特待生。看護士目指しているのも、このような環境が影響しているに違いない。

 もう1人の幼馴染は、舞ちゃん宅お隣のお好み焼きやうめづの一人息子、貴司くん。貴司くんは幼い頃近所の古本屋デラシネのおじさんから詩の素晴らしさを教えてもらい、ずっと通い続けている。高卒でSEとなったが、営業など慣れない仕事で疲弊している。プライベートの時間も携帯電話が鳴って呼び出しがかかるのはしょっちゅう。上手く社会に馴染めない自分、社会に自分の居場所を見つけられないでいる。

 クリスマスに幼馴染3人で食事のシーンが印象的。舞ちゃんは、旅客機にパイロットを目指すことを宣言、まだ両親に話ができてない悩みを明かす。家族環境に恵まれないくるみちゃんは、「また贅沢な悩みやな」。自分を見失っている貴司くんは「くるみちゃんは本当の自分を見つけたんやな」。

 急に舞ちゃんがめちゃくちゃ恵まれたお嬢様に見えてきまして。両親揃っていてお金に苦労することもなく、自分がやりたいことに集中できる人生(対くるみちゃん)。周りの人に受け入れられて周りの人に影響を与えることができる人生(対貴司くん)。更には、身長さえも味方につけて、航空学校への受験もできる人生(対由良先輩)。そうなんだよ、世の中キラキラした出来事だけじゃないんだよ。環境に恵まれなくて、立ち止まったり、自分を見失ったりするなんてあたりまえにあることなんだ。くるみちゃんと貴司くんの話を見ると、本当に“スワン号は奇跡”としか思えない!うん、よく出来た脚本だ!

 もう一つ対比で面白かったシーン。舞ちゃんが自宅で勉強が一息ついて、空を見上げるために窓を開けると、貴司くんも仕事から帰宅して窓を開けていたところ。舞ちゃんが「空を見たかった」と空を見上げてにっこり。貴司くんは「星が見えへんな」と残念がる。同じ空を見るのにこんなに違うテンション。

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